社員と従業員

カテゴリー: 法人税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

一般的には会社で働く人のことを「社員」と呼びますが、ほとんどの税理士は会社で働く人のことを社員とは呼びません。社員ではなく、「従業員」と呼びます。

「社員」は本来、法律用語として別の意味を持っており、株主のことを指します。法律用語で社員とは社団の構成員のことをいいます。なぜ通常、株主を「社員」と呼ばないかというと、社員という法律用語は上位概念の用語であるからです。会話で、「乗り物に乗ってハワイに行った」と言う人はいないと思います。普通は「飛行機に乗ってハワイに行った」「船に乗ってハワイに行った」となります。「社員」は「乗り物」と同様の上位概念となりますので、出資者である株主という用語を使うときには「会社の社員」でなく、「会社の株主」となります。

この「社員」が法律用語である社団の構成員であるという意味が頭から離れない人(弁護士、会計士、司法書士、行政書士、税理士)は「会社の社員」を使うと株主を指してしまうことになるので社員は使わないで、従業員という用語を敢えて使います。

ただし、正社員、契約社員、新入社員、嘱託社員など、社員の頭に何かしらが付けば、そのときはもはや法律用語としての社団の構成員とは意味が違うことが明らかですので、弁護士、会計士、税理士であってもこれらの用語は使用します。「社員」は使わないのですが、「正社員」は使います。デリケートに用語の使い分けをしている人たちも居るというハナシでした。

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