贈与税を少額払うという手法は有効か?

カテゴリー: 相続税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

贈与をするにあたって、「毎年111万円を贈与して贈与税申告を行い、1,000円を納税しておきさえすれば税務署に対して贈与を行ったという意思表示ができるので後で調査があったときに税務署に文句をつけられなくなるのでおすすめです」という意味合いのことを言う人がいますがこれは正しいでしょうか?

贈与税の申告を行い、納税することが贈与の証明には決してなりません。贈与税申告をしたとしても財産の実質的な移転が行われていなければ贈与は否認されます。もらった人が財産を支配している状態にきちんとなっていれば、申告書を出さなかったとしてもまったく心配する必要はありません。(出さなくても良いのは、暦年110万円までの非課税範囲内の場合です。110万円を超える場合は、もちろん申告が必要です。)

贈与税申告書の提出が、税務署に対して「水戸黄門の印籠」になるわけではなく、あくまで贈与の実質的実態が伴っているかどうかを常に気にしておく必要があるのです。

↑トップへ