消費税の原則課税と簡易課税の比較について、前回の記事では、極端に単純化して説明してみました。
原則課税の納税額を216万円×12×8/108=192万円
としましたが、これは最も単純な計算でして、実際にはこうはなりません。 なぜならば、経費に係る支払消費税額の計算を考慮していなかったからです。 原則課税は売上に係る預かり消費税(192万円)から 経費に係る支払消費税を控除して、最終的に国に納税する消費税額を計算します。
例えば、事務所の家賃が月額54万円(税込)であったとします。
この場合に納税する消費税は、
216万円×12×8/108(預かり消費税)-54万円×12×8/108(支払消費税)=144万円
となります。
原則課税の場合には
預かり消費税-支払消費税=差引納付消費税
という計算を行います。
上の場合、益税の金額は、
144万円(原則課税)-96万円(簡易課税)=48万円となり、
前回の記事で計算した益税額96万円よりも小さくなってしまいました。さらに、今回の益税額48万円には前回書いたように法人税も課税されてくるということになります。
原則課税の計算では実際にかかった経費に係る支払消費税額を、預かり消費税額から控除するため 支払消費税額の金額の如何によって、最終的な国への納税額が変わってくる計算構造になっています。