(投稿者:河野周輔)

平成27年3月31日締切の創業補助金の募集が、正式に開始されました。創業補助金のホームページより詳細な情報を得ることができます。

ダウンロードページに募集要項やQ&Aが掲載されています。Q&Aにも記載がありますが、今回は平成27年3月2日以降に法人を設立した場合に適用がありますので、それよりも前に既に設立されている法人には適用がありません。ご注意ください。

過去の創業補助金の募集では、募集期間開始から遡って法人設立された場合であっても対象とされたのですが、今回は認められなくなりました。対象が狭められてしまったのは、経済産業省の予算の都合なのでしょうか。

平成27年度の創業補助金

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

平成27年度の創業補助金の募集要件が開示されました。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/2015/150213Sogyo.htm

新規創業の場合、創業時期が「募集開始日~補助事業終了日の間に創業予定の方」となっています。つまり、平成27年3月~の創業である必要があるということです。よって、前回の創業補助金の募集が終了した平成26年6月から平成27年2月までに創業した会社については、今回の創業補助金の適用がないということになります。

弊社は平成26年8月に設立しましたので、遡っての創業についても適用可能であれば申請してみようと考えていたのですが、対象範囲外になってしまいました。残念でした。

(投稿者:河野周輔)

2009年まで、私はP-oneカード(ポケットカード株式会社)というクレジットカードをメインカードとして使っていました。このP-oneカードの特徴は、使用額の1%を常に割り引いて請求してくれるというところです。たとえば10,000円の買い物をすると、1%割り引いて、9,900円でカード請求が来ます。常に1%現金割引をしてくれるカードです。

この1%割引、2009年の途中までは使用額に上限はなかったのですが、途中から月額15万円までしか1%の割引が行われなくなってしまいました。15万円超の部分については1%割引がありませんので15万円を超える場合には他のカードを使用するなどの手間が必要になってしまいました。

またP-oneカードはこの1%割引に加えて、商品と交換できるポイントも付与(付与率は0.3~0.4%程度)されるのですが過去には毎月7日にカード使用すると、その日だけポイントが10倍付与されるという制度がありました。この10倍付与は現在はありません。商品と交換できるポイントの付与率は0.3%~0.4%ですので、この10倍ということになると3%~4%の付与率ということになります。現金割引の1%と合計すると4%~5%の還元率です。この制度があった頃は、高額商品は7日が来るまで我慢して、7日にP-oneカードで購入するということを行っていたものでした。

使用者にとって有利すぎるカードは、そのうち改悪されることも大いにありえますので、自分が使っているカードの条件が以前と変わっていないか、たまにチェックしておくと良いと思います。こういったP-oneカードの条件変更を見てきたので、リクルートカードの「税金支払い」「JALマイル獲得」についても、いつかは改悪があるかもしれません。

(投稿者:河野周輔)

クレジットカードのポイントをマイルに交換する陸マイラーは、どれくらいの還元率を得ていることになるのでしょうか。

1ヶ月後の3/5の羽田→那覇への航空券をJALで確認してみるとだいたい、片道2万円前後です。

往復で4万円だとすると、リクルートカードプラスは150万円で那覇を往復できますので、4万円/150万円=2.67%の還元率となります。もともとリクルートカードプラスは2%のポイント付与率ですので、それよりは多少よいのですが、大した差ではないですね。

他方、格安航空券のサイトで、同じ3/5の航空券を調べてみると、出発時間の条件にもよるのですが一番安いもので往復で2万5,000円~3万円というものもありました。こういった格安航空券を利用しやすい人にとっては、クレジットカードのポイントでマイルを獲得するよりも、格安航空券を購入した方が安く購入できますのでそちらの方がお得でしょう。ただし、格安航空券のサイトを覗いてみるとわかるのですが、自分の希望する日程・時間で購入しようとすると、なんだかんだで結局は航空会社から買うのと大して変わらない金額になってしまうものです。

(投稿者:河野周輔)

前回の記事で見ましたように、リクルートカードプラスを使えば150万円で1万5,000マイルを獲得できますのでマイルの獲得率は1%です。100円あたり1マイルということです。

一方、JALカードには「JALカードショッピングマイル・プレミアム」というプランがありまして、これは3,240円を支払うことで、通常200円あたり1マイルのところを100円あたり1マイル獲得できるようになります。

このJALカードショッピングマイル・プレミアムは、年会費3,240円を支払わなければならない分、リクルートカードプラスがJALマイレージに交換できるようになってしまったために、魅力度が落ちてしまいました。

今後リクルートカードプラスの改悪が行われる可能性もあるわけですが、今のところはJALマイレージに交換には3,240円がかからない分、リクルートカードの方がJALカードよりも勝っていると思います。

(投稿者:河野周輔)

リクルートカードプラスは年会費2,160円でポイント付与率が2%、リクルートカードは年会費0円でポイント付与率が1.2%という違いがあります。

私の場合、ポイントはJALマイル狙いでして、羽田から那覇か札幌の往復航空券をゲットするには15,000マイル必要になります。15,000マイル得るためには、リクルートカードプラスでは150万円をカードで使用する必要があります。



リクルートカードプラスであれば、150万円の使用で15,000マイル取得することができます。

一方、年会費無料のリクルートカードプラスの場合に150万円を使用したとすると次のようになります。

150万円の使用では9,000マイルとなり15,000マイルには届きません。250万円使用して、15,000マイルに届くこととなります。クレジットカードの使用によってマイルを獲得する「陸(おか)マイラー」にとってはリクルートカードプラスを選んだ方がよいでしょう。

リクルートカードの種類

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

リクルートカードには2種類あります。年会費2,160円の「リクルートカードプラス」と年会費0円の「リクルートカード」です。

年会費を支払うと、ポイントの付き方が良くなります。プラスは2%で、ノーマルは1.2%ですのでプラスの方がノーマルよりも1.66倍効率がよいです。年会費2,160円分の元を取るために27万円分、リクルートカードプラスで買い物をすればポイントによって2,160円分稼げます。年間27万円以上、リクルートカードを使用する場合には、プラスを選択するのがよいでしょう。メインのカードにする場合には年間27万円は簡単に使えると思います。

(投稿者:河野周輔)

リクルートポイントが、どのような手順でJALマイレージに交換されるのかを具体的にご紹介します。概要図はこちらのようになっています。

まずは、リクルートポイントのポータルサイトからスタートです。ポイント交換から入ります。



リクルートポイントからPonta(ポンタ)ポイントに交換します。


説明事項が表示されます。


リクルートIDとパスワードを入力して次に進みます。


交換するポイントを入力します。リクルートカードが減ってPontaポイントが増えます。

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以上により、Pontaポイントの交換が完了しました。次は、ローソンのサイトよりJALマイルに交換する手順となります。ここから先はJMBローソンPontaカードVisaがないと進めません。













(投稿者:河野周輔)

個人的なハナシで恐縮ですが、私はクレジットカードのポイントは全てJALマイレージとして使っています。なぜANAではなくJALかと言いますと、田舎の実家に帰省するときの飛行機がJALの方が使いやすいからです。

そういった事情のため、税金の支払いについても、クレジットカード→nanacoによってセブンイレブンで支払い、そのポイントをJALマイレージに交換しています。

クレジットカードで税金を支払った場合の、JALマイレージの貯め方は、次のようになります。かなり面倒臭いですがこれしか方法がないため、しょうがなくやっています。(笑)

実現するための道のりは、非常に長いです。(笑)

・nanaco(セブンイレブンで即発行)
・リクルートカード(クレカ)
・JMBローソンPontaカードVisa(クレカ)
の3枚のカードが必要になります。JMBローソンPontaカードVisaが必要になる理由は、ポンタポイントをJALマイレージに交換するためにはこのクレジットカードの発行が必ず必要になるためです。ポインタポイントをJALマイレージに交換する方法はこのJMBローソンPontaカードVisaの発行以外に、今のところありません。
(投稿者:河野周輔)

1枚のクレジットカードでは1枚のnanacoにしかチャージできないのですが、androidスマホがあれば、同じクレジットカードを使ってandroidスマホにクレジットカードチャージを行うことができます。ただしandroidスマホはおサイフケータイ機能が使えることが必要です。

androidスマホにnanacoアプリをインストールすれば、androidスマホをnanaco化することができるようになります。この場合、nanacoカードに加えて、androidスマホにも1枚のクレジットカードでチャージすることができます。1枚のクレジットカードで2枚のnanacoにはチャージできませんが、nanacoカード+androidスマホには1枚のクレジットカードでチャージできます。

このandroidスマホについても、センターからのダウンロードを使えば実質10万円チャージできますのでnanacoカードとandroidスマホの2枚持ちができれば1回のレジでの支払いが20万円まで行うことができるようになり個人であれば、どんな税金の支払いであってもこれでほぼ足りるかと思います。

(投稿者:河野周輔)

nanacoへのチャージはMAX5万円までとなっていますが、クレジットカードチャージの場合、下記の方法により倍の10万円まで実質的にチャージできるのと同じことができます。

1.まずクレジットカードからnanacoへのチャージを行います。クレジットカードチャージはnanaco本体にチャージが行われるわけではなく、まずセンター預かりとなります。センター預かりのMAXも同様に5万円です。


2.センターに金額がある状態でnanacoをセブンイレブンのレジに持っていくと、レジでセンターの金額をnanacoにダウンロードしてくれます。ここで初めてnanaco自体が5万円を持つことになります。

この状態で、nanacoを使って税金・公共料金を支払うことができます。

このセンターからのダウンロードですが、セブンイレブンのレジ以外に、セブン銀行のATMでもできます。セブンイレブンにあるATMです。

セブンイレブンにあるATMを使うことによって、nanacoに実質的に10万円を持たせることができるようになります。まず、センターの5万円をATMでnanacoにダウンロードさせた後に、再度クレジットカードチャージを行います。すると、次のようになります。


センターに5万円、nanacoに5万円がある状態になり、合計で10万円を所有していることになります。この状態でnanacoをレジに持っていけば、10万円の支払を1回で行うことができます。たとえば10万円の住民税の納付書があったときに、nanacoで5万円を支払い、その場のレジで0円になったnanacoにセンターから5万円をダウンロードしてもらいます。そうするとまたnanaco残高は5万円になりますので残りの5万円も支払うことができます。この手順により実質的にnanacoに10万円を持たせることができることになります。

(投稿者:河野周輔)

nanacoと、チャージできるクレジットカードが準備できればようやく税金・公共料金を実質クレジットカードで支払うことができるようになります。ただし、nanacoへのクレジットチャージはいくつもの制約がありまして、その制約を頭に入れておく必要があります。

【制約】
・nanacoには5万円までしかチャージできません。金額使用後は、また5万円までチャージできるようになります。

・1つのクレジットカードで、1枚のnanacoにしかチャージできません。複数枚nanacoを所有したとしても、1つのクレジットカードからnanacoにチャージできるはそのうちの1枚のみです。

・nanacoへのチャージは1回あたり2万9,000円まで。

・nanacoへのチャージは1日3回まで。

・nanacoへのチャージは1ヶ月15回まで。

・nanacoへのチャージは1ヶ月20万円まで。

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「チャージ上限が5万円」「1回あたり2万円9,000円まで」「1日に3回まで」という制約があるために、例えば固定資産税5万円、住民税5万円、国民健康保険料5万円の合計15万円の納付書があったするとこれらすべてを(nanaco1枚で)1日で支払うことができないようになっています。

2万9,000円(1回目チャージ)+2万1,000円(2回目チャージ)=5万円(nanaco上限金額)で固定資産税5万円を支払うことができますが、1日のうちではあと1回しかチャージできませんので、残り金額を1日ですべて支払うことはできません。日付が変わればまた1日3回チャージを行うことができるようになりますので日を改めて支払う必要があります。

(投稿者:河野周輔)

クレジットカードでnanacoにチャージができて、かつ、クレジットカードのポイントが付くものは限られています。リクルートカード(プラス)、漢方スタイルクラブカード、SoftBankカード、JMBローソンPontaカードVisaなどがあります。他にもあります。「nanaco クレジットカード」で検索すれば比較サイトがありますので参考にしてみてください。

注意が必要なのは、これらのカードが今後も永遠にポイント付きでnanacoにチャージできるとも限らないということです。クレジットカードのポイント付与方法は、よく変わります。特に、利用者に不利なように変わります。クレジットカード会社は最初は会員を集めたくて利用者に有利なようにポイント制度を設計する傾向にあり、言ってみれば会員を集めるためのエサを用意します。ところが、ある程度会員数が増えてくれば、利用者の有利は、クレジットカード会社の収益圧迫につながりますので、ポイント制度を改悪するようになる傾向があります。

ちなみにnanacoを新しくセブンイレブンで発行してもらっても、すぐにクレジットカード登録できるわけではなく10日、nanaco側での設定で待たされますので、まずnanacoの発行を行ってもらう作業を一番最初にしておくとよいと思います(またはクレジットカード申込と同時)。クレジットカードが到着してからnanacoを発行してもらう順番だと、ここでさらに10日待たされてしまいますので。

また、上記のクレジットカードが発行されればすぐにnanacoにチャージできるわけではなく、nanacoのWeb管理画面から使用するクレジットカードの登録を行う必要があります。

(投稿者:河野周輔)

クレジットカードで買い物をすると、クレジットカード会社が用意している様々な特典が付いてきますので買い物はなるべくクレジットカードで行うという方も大勢いらっしゃると思います。クレジットカードの比較サイトを見れば、還元率○%という数値で、どれくらいの恩恵があるかを測ることができます。

通常の買い物に加えて、一定の税金・公共料金(※)もクレジットカードで支払うことができます。ただし、クレジットカードによる支払いは少し面倒です。事前に準備しなければいけないことがいくつかあります。次の流れで、クレジットカードで税金を支払うことができます。

※固定資産税、個人住民税、個人事業税、国民年金保険料、国民健康保険料、自動車税、軽自動車税、電気料、ガス料、水道料

上図の方法でクレジットカードで税金を支払うにはいくつか、クリアしないといけないことが出てきます。

1つ目は、nanaco(ナナコ)を使う必要があるということです。nanacoを持っていない人は発行してもらう必要があります。

2つ目は、セブンイレブンに行く必要があるということです。nanacoでの税金支払いはセブンイレブンに行かなければなりません。

3つ目は、nanacoにチャージ可能なクレジットカードを作成する必要があることです。全てのクレジットカードがnanacoにチャージできるわけではありませんので、事前にチャージできるクレジットカードかどうかを確認しておく必要があります。さらに言うと、nanacoにチャージはできるけども、クレジットカードのポイントが貯まらないカードもありますので、チャージできて、かつ、ポイントも貯まるかどうかの確認が必要になります。

(投稿者:河野周輔)

日銀の緩和政策により、長期金利がドンドン低くなってきておりまして、ついに本日10年国債の金利が0.2%という歴史的な低水準になってしまいました。

お金を借りる分には金利が安いので助かるのですが、お金を銀行に預けても預金利息はとても期待できない状況が続いています。

ただ、物・サービスを購入する際に様々な割引制度を販売者が用意してくれているお陰で、購入方法を変えることで(預金利息に比べれば)大きな割引を受けることができます。

たとえば、切手は金券ショップを利用すれば4%程度の割引で購入することができます。普通預金利息が現在0.02%というレベルですから、4%の割引がとても大きく見えてしまいます。ただ、一般の個人の方は切手を大量に買うということはありませんでしょうから、使いやすいものではないと思います。

また、国民年金の前納という制度がありまして、2年分の保険料を前払いすると割引が受けられます。
平成26年4月から国民年金保険料の「2年前納」が始まりました
2年間分を前払いすると支払額が370,080円→355,280円となって、14,800円の割引になります。率でいうと約4%です。預金利息では4%の利息は絶対に付きませんが、355,280円を一括で支払うことによって約4%の運用を行えたと考えることもできます。ただ、これも国民年金ですので社会保険に加入しているサラリーマンの人は使えません。

物・サービスを購入する際の割引ですので、お金が直接的に殖えるわけではありませんが購入方法を変えることで、支出を少しでも抑えることができます。

退職金で節税7

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

小規模企業共済をやるかどうかについては、1(やる)か0(やらない)かの選択肢ではなく、年間MAX84万円ですので、「毎月3万円だけやる」という選択肢もあります。これはお金をどう振り分けるかのポートフォリオの問題になります。

会社にお金を残して会社で好成績で運用する自信はあるけども、実際問題上手くいかない可能性もあるので小規模企業共済の節税効果の恩恵も受けておきたいといったときに年間MAXの84万円ではなく、月3万円、年間36万円にするという選択肢です。会社での運用が上手くいかなかった場合の保険をかけておくようなものです。住宅ローンを借りるときも全額を変動金利にするのではなく、半分を変動金利、半分を固定金利とするようなものです。中庸にするのは、中途半端な利益しか得られませんが、自分が張っている方と相場が大きく逆に動いたときにはダメージを軽減してくれます。

絶対に小規模企業共済は有利だと思い込むのではなく、お金をどういうふうに振り分けるのが自身のキャッシュを最大化することになるのだろうかということを、ときには立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

退職金で節税6

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

小規模企業共済は法人と個人の節税効果が高いので、やるのが絶対的な善であると私自身、思っていました。ところが、この一連の記事を書きながら法人に残ったキャッシュによる運用益との比較をしないと本当にどちらが有利かがわからないのだなという発見がありました。

小規模企業共済をせずに、キャッシュを法人に残すのが良いかどうかは、本当に個々の法人の事情によります。前回の記事でキャッシュの運用益率がある程度出ないと小規模共済に負けてしまうということを書きましたが、キャッシュが潤沢にあったとしてもそれを商品や人に投資してリターンが得ることが難しい状況の会社なのであれば、やはり小規模企業共済の方が有利ですし、逆にキャッシュがあればあるほど新たな収益源を生み出せる会社は小規模企業共済なんかにお金を預けるのは収益のチャンスをそれだけ減らしていることになるのでもったいないということになります。(小規模企業共済は年間最大84万円と小さな金額ですが、小規模企業共済でなくとも、生命保険の解約返戻金を利用した退職金支払いについても同様です。)

所得税・相続税で個人への課税は強化されてきていますが、逆に法人税は今後も税負担が減少していくことになろうかと思います。昔と比べれば法人税の負担が少なくなってきていますので、負担が少ない分、どんどん法人税を払って会社にお金をのこしていこうじゃないか、そして法人でもっと稼ごうじゃないかという動きがマクロで見ると進んでくると思います。

自己資金となるキャッシュは、税引後利益でしか得ることができません。銀行への返済も、個人的な社長借入返済もすべて税引後利益の数字が作れて初めて返済できるものです。会社の自己資金力は、どれだけ法人税を支払ったかで決まります。法人税の負担が小さくなってきている今、法人税を積極的に支払う姿勢を見せる会社の方が、底力のある会社になるのではないでしょうか。

退職金で節税5

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

これまで書いてきたように、(法人で給与の上乗せ支給)+(個人で小規模企業共済)を毎年100万円ずつ行わない場合では、行う場合と比較して法人で法人税の負担が出てきます。小規模企業共済を便宜的に年100万円(実際は年上限は84万円です)とすると、20年間では法人税の負担額は400万円となり、法人税を納税した後の手取りでは1,600万円となります。

この手取りの1,400万円を、法人の商売で有効活用して20年後に2,000万円以上にできれば小規模企業共済に勝ることになります。毎年、税引後で70万円キャッシュが増えていきますので、たとえば20年間の中間時点、10年後には累積で700万円のキャッシュが手許に残ってきます。この累積キャッシュ700万円を商売で上手く使って(税引後で)運用益を1,000万円稼ぎ出すことができたとしましょう。すると、元々の税引後キャッシュ1,400万円+税引後運用益1,000万円=2,400万円となります。2,400万円>2,000万円(小規模企業共済)ですので上手く運用することができれば法人税を払っても小規模企業共済を使った方法に勝ります。キャッシュを上手く運用できる自信があれば小規模企業共済に入らずに法人でキャッシュを活用する、自信がなければ小規模企業共済を使うというのがよいでしょう。

厳密な運用益の計算をするとすれば、税引後で毎年70万円増えていくキャッシュを何%で複利運用すれば2,000万円に勝るかという計算を行うことになります。商売による運用ですので理論的な複利計算がそのまま当てはまるわけではありませんが、参考までに計算してみます。

上図は、毎年、税引後で獲得したキャッシュ70万円を5%で複利運用した場合の累計額がいくらになるかを示した表です。一番左上に70万円とあるのが、1年目に獲得した70万円です。これを5%で運用できると、2年目に残る金額は70万円+(70万円×5%)×70%=72.5万円となります。

5%は運用益率で、70%は運用益に課税された法人税(30%)を控除した率です。3年目に残る金額は、72.5万円+(72.5万円×5%)×70%=75.0万円となります。こうして、20年間5%で運用していくと最終的には一番右下の1,980万円が税引後のキャッシュになります。5%だとほぼ、2,000万円となりますので5%で複利運用ができないと、小規模企業共済には負けるということです。

6%、10%の運用益は次のようになります。運用益云々は、実際この通りに予見できるわけがありませんので数字遊びに過ぎませんが、参考までに作成してみました。6%の複利運用で約2,100万円、10%の複利運用で約2,800万円という結果となりました。

退職金で節税4

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

社長への給与を上乗せせずに、20年後に2,000万円を退職金として支払うようにすると、20年間会社の利益として法人税が課税されてしまいます。その結果、2,000万円から法人税額600万円が控除されて累計手取り額が1,400万円になってしまうので法人税が課税された分だけ退職金を支払うだけのキャッシュが減ってしまうように見えます。

ところが、この1,400万円の累計手取り額を法人が自由に運用できるという点が小規模企業共済に払い込む場合との相違点になります。小規模企業共済に払い込んだ場合は、払い込んだ掛け金は退職金として受け取るまでは自由に運用することはできません。すべて小規模企業共済に預け入れられてしまって手をつけられません。一方、小規模企業共済を払い込まない場合は、払い込まない分の経費減少額を法人の方で法人税が課税されてしまいますが課税された後のキャッシュについては法人で自由に運用できます。

そうすると、法人がどれくらいキャッシュを効果的に運用できるのかが問題になってきます。法人にキャッシュを残して、その法人が行う商売でうまく運用して利益を生み出すことができれば小規模企業共済に払い込むよりも法人にキャッシュを残した方が有利になるわけです。

キャッシュがあればあるだけ利益を着実に生み出せる商売であれば、下手に小規模企業共済に払い込むよりも、法人税を払ってでも法人にキャッシュを残した方が商売で殖やせますのでそちらの方が有利となるケースがあります。

退職金で節税3

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

前日の記事で説明しました、小規模企業共済を使う場合と使わない場合とでどういった税の影響が出るかについて考えてみたいと思います。退職金は2,000万円であるとします。

退職金をもらう側の個人の所得税は、小規模企業共済を使う場合と使わない場合とでは変わりありません。どちらも2,000万円の退職金であり、所得税は152,500円です。

変わってくるのは退職金をどう支払うかを決める法人の方です。違いをわかりやすくするために小規模企業共済の年間上限額を100万円であると仮定して計算を進めます(実際は年間84万円が上限です)。  

  • (1)20年間にわたって年間100万円を社長給与に上乗せして支払い(法人で年間100万円の経費増)、社長は年間100万円を小規模企業共済の支払いとして所得控除を使う(社長の所得税負担なし)
  •  
  • (2)20年間、社長給与への上乗せは無しで20年後に2,000万円を支払う(このときに会社で2,000万円の経費計上)

(1)は法人が年間100万円を社長給与として上乗せ支給するので、法人で(2)よりも年間100万円多く経費計上され(2)と比べて法人税負担が少なくなります。(2)は(1)と比較して法人税の納税が多くなります。(2)の法人税の納税が多くなるイメージ図は次のとおりです。

(2)は(1)よりも年間100万円給与を支払わない分、利益が100万円多くなります。上の図の棒は、1年目から20年目までそれぞれ、(1)よりも100万円利益が多いことを表しています。法人の利益が100万円多くなると、その100万円の利益に対して法人税が30万円かかります(税率30%と仮定しています)。100万円の利益から30万円を納税するので残りは70万円です。これが20年間続くと、法人税の累計額は600万円となり、法人税を払った後の残りは1,400万円です。

(2)は100万円を社長給与に上乗せしないため、会社の利益となりそこから法人税の納税が行われます。(1)と比較したときに給与の上乗せ支給がない分、会社には1,400万円のキャッシュが残りますが、一方、法人税の納税が600万円生ずることになります。

退職金で節税2

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

誰でも加入できるわけではないのですが、小規模企業共済という中小企業経営者向けの退職金制度があります。これは最大で月額7万円(年間84万円)の掛金を中小企業基盤整備機構という政府機関に払い込んで退職金として積み立てておく制度です。退職した場合又は65歳以上になったときに積み立ててきた掛金が、退職金(この制度上、共済金と呼ばれます)として払い戻されます。

小規模企業共済のメリットは、払い込んだ掛け金の全額を、個人の所得税計算で所得控除されるところです。つまり支払った(最大)年間84万円については自身の課税所得からマイナスできるという点です。

会社のオーナー社長であれば、自分の給与は自分で決められますので年間84万円を従来の給与に上乗せして支払い、84万円を小規模企業共済として支払えば上乗せした84万円には所得税がかからずに、将来の退職金(共済金)として積み立てておけることになります。そして共済金の受け取りの際には、ほとんど税金がかからない退職所得としての優遇課税措置を受けることができます。

退職金で節税

カテゴリー: 節税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

税理士が節税の手法としてまず最初に提案するのが退職金を使った節税です。節税の王道は、高い税率ではなく、低い税率を適用させることです。

低い税率を適用させるというのは、退職金がまさに当てはまっていて、退職金は老後の生活原資であり多額の税負担では老後の生活を保障できなくなってしまいますので極端に低い税負担で済むようになっています。退職金から、「退職所得控除」というマイナスを行ったうえで、さらにマイナス後の金額に1/2を乗じた金額、つまり半額にした金額に税率を掛けて所得税が算出されるようになっています。このような計算方法であるため退職金は受取者にとって非常に優遇されている税制になっています。

このような退職金の優遇規定があるため、例えば退職金を2,000万円払うのと、その2,000万円を退職金ではなく、20年にわたって年間100万円ずつ通常の給与に上乗せして支払うのとでは、退職金として2,000万円を支払った方が退職金を受け取る本人の所得税負担が小さくなります。

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