前回の記事では、簡易課税が適用できる会社を新しく2つ作成して益税額を2倍にできるということでしたが、逆に既にある会社を会社分割して2つに分けることによって原則課税であった1つの会社を簡易課税が適用できる2つの会社にすることも可能です。
課税売上高がちょうど1億円の会社があったとして分割後の2社それぞれの売上がちょうど5,000万円になれば、2社ともに簡易課税が適用できるようになります。
前回の記事で極端な例を出しましたが、消費税率が10%になったとするとコンサルティング業(第五種事業)では益税がmaxで227万円×2社=454万円となります。maxで454万円ですので、その会社の課税仕入れの金額によっては益税額は454万円よりも小さくなります。
じゃあ、うちも簡易課税の適用を受けるために会社分割しようかと考えるときに、やはり気をつけなければならないのが税務調査で簡易課税の適用を否認されてしまうことです。税務当局によって会社が適法な節税であると思ってやったとしても、当局によって行き過ぎた租税回避行為であると判断された場合には否認される場合もあります。租税回避を主眼に置いた合併・分割は税務当局によって否認される事例が多く見受けられますので実行には税務調査に耐えうる事前検討が必須です。