消費税の簡易課税の仕組み(その4)

カテゴリー: コンサルティング業の税務・会計

(投稿者:河野周輔)

業種別の簡易課税により納税する消費税は次のようになります。(預かり消費税をAとします。)

第一種事業:A-A×90%=A×10%(卸売業)
第二種事業:A-A×80%=A×20%(小売業)
第三種事業:A-A×70%=A×30%(製造業)
第四種事業:A-A×60%=A×40%(飲食業・金融業)
第五種事業:A-A×50%=A×50%(サービス業・不動産業)

簡易課税と原則課税、どちらがトクをするのかは、会社ごとよって違いますので試算する必要があります。たとえば、第五種に該当するコンサル業であっても外部の外注業者を多く活用する会社である場合には、外注業者の支払は消費税が課税されるので原則課税の方が消費税の納税額が少なくなるということもありえます。試算のやり方としては売上から売上に直接的に貢献する売上原価を差し引いた粗利がどれくらいであるのかを知ることで簡易課税の方がいいのか、原則課税の方がいいのかを判断する目安ができます。

年間の売上が4,000万円(税込)、外注費が2,500万円(税込)だったとします。この場合、粗利率は
(4,000万円-2,500万円)/4,000万円=0.375
となり、第五種事業の納税率50%よりも小さくなります。原則課税を選択した場合には、売上4,000万円-外注2,500万円=1,500万円(税込金額)から消費税を納めます。他の経費は端折って粗利だけで計算してしまうと1,500万円×8/108=111万円の消費税納税です。

簡易課税で計算すると、4,000万円×50%=2,000万円(税込)から消費税を納税するので2,000万円×8/108=148万円の納税です。

このように、コンサル業であっても外注を多く使用している場合には原則を選択した方が有利になります。

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