コンサルティング業の仕掛品(その1)

カテゴリー: コンサルティング業の税務・会計

(投稿者:河野周輔)

会計の世界には、「仕掛品」という用語があります。「仕掛品」は勘定科目名であって、大きな分類でいうと棚卸資産のうちの1つです。要は在庫のことです。

棚卸資産には、仕掛品以外にも、「商品」や「未成工事支出金」があります。仕掛品は、商品や未成工事支出金の仲間ですので、呼び方は違えど、お互いに性格は同じであり会計上は同じ働きをします。

棚卸資産は、「商品」が一番イメージしやすいです。卸売業や小売業では、よそから買ってきた商品は、他者に販売されるまでは「商品」として貸借対照表の資産の部に存在します。これが意味するのは、よそから買っただけでは損益計算書上、経費にならないということです。仕訳で示すと、

商品/現金

です。そして、他者に販売されて初めて、資産の部の「商品」は、損益計算書の経費に変化します。
現金/売上・・・他者に販売
仕入/商品・・・商品の経費化

上の具体例より、棚卸資産とは、購入時(債務確定時)には経費にならず資産となり、他者に販売されたときにはじめて経費となるものをいいます。購入時に経費としないのは購入時に経費にしていたのでは、一事業年度の儲けが正しく計測できないからです。

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