(投稿者:河野周輔)

税務の仕事をしていると、やたらと「○年分」という文言の書類をみかけます。扶養控除等申告書には、タイトルに「平成27年分」というように書いてありますし、源泉徴収票や所得税申告書の用紙にも、「平成27年分」というように「○年分」と記載してあります。

「○年」と「○年分」というのは意味合いが異なっています。「○年」は時点(点)を表し、「○年分」は期間(線)を表します。税法の条文上は「時点」と「期間」を厳密に区別しており、時点を意味するときは必ず「年」と表現し、「期間」を意味するときは必ず「年分(または年中)」が使われるように条文が作成されています。

日常会話では、「平成26年」は意識せず平成26年の1年間という期間の意味で使うこともありますが、税法条文では時点は「年」、期間は「年分(または年中)」を使い分けています。

税理士試験の税法科目を勉強すると、税法条文をある程度暗記することになるのですが、特に所得税法は1月1日から12月31日までの期間の税金を計算する暦年課税ですから「その年分」という用語がしょっちゅう登場することになり、勉強を進めていくと、自然と「年」と「年分」の区別が体に染み付きます。

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