次に、前回の記事とは真逆のパターンではどうでしょうか。1ヶ月の社長報酬の全額が会社経営全般に対する報酬であった場合です。
前回とは逆で決算時に仕掛途中の仕事があったとしても社長の給与は会社経営報酬であるものとして、全額を経費とする考え方です。
ところが1人社長であるため、実際にはお客さんのところへ行ってコンサルティング業務を行っています。お客さんの現場でコンサルティング業務を行っている事実はあるわけなので、社長の報酬の全額が会社経営に対する報酬として考えることは、明らかに事実に反しています。これが、現場労務の割合が30%であるとの会社の主張に対し、「いやいや40%でしょう」と反論するのは骨の折れる仕事なので税務署はやろうとしませんが、現場労務の割合が0%であるとの主張に対しては「いやいや0%はないでしょ。1ヶ月のうちに10回、お客さんのところに行っている記録が残っているじゃないですか。現場労務の割合が何%になるかは(面倒臭いから)私は計算できないけれども、0%でないことだけは明らかですよね。(面倒臭いだろうけども)そちらでちゃんと現場労務割合を計算して仕掛品計上してくださいね。」と指摘するのは簡単なことなので言ってきます。
本来、仕掛品に計上すべき金額を役員報酬として経費にしていますので過大な経費計上です。過大な経費計上は過少な利益計上になりますので、つまりは過少な税金納税です。よって税務署は納税が過少ですので追加で納めてくださいねと会社に促すことになるわけです。