うまく2社とも簡易課税を使ったとして、税務調査でまず最初に聞かれるのが「会社を2つに分けている理由」です。その理由が「2社ともで簡易課税を使いたい」という理由であれば、アウトでしょう。目的が租税回避になってしまっているからです。租税回避目的以外で、2社に分かれているための経済合理的な理由が必要です。2社はそれぞれ行っている事業が違っていて事業ごとに、会社としての損益責任を持たせるために分けている等の合理的な理由が必要です。その目的に沿った結果、副次的に2社ともに簡易課税が適用されたんだということです。
また、2社に分かれている以上、それぞれの会社が外部から見て自然な経済活動を行っていることも必要です。具体的には、2つ目の会社も家賃を支払う、経理事務のコストを支払うということです。2社目の方は、そういったコストのことを忘れてしまって、家賃も経理事務のコストも1社目の方で持ってしまっては税務当局からすれば結局、一体の会社じゃないかというふうにみなされてしまいます。
ですので、2社目の方も、住所が1社目と同じにするのであれば1社目に家賃を支払う、経理事務が自身でできないのであれば1社目に経理事務委託費用を支払うなどの会社としての独立した体制を整える必要があります。