扶養控除等申告書の「年分」が意味するもの

カテゴリー: 所得税のハナシ

(投稿者:河野周輔)

年末調整の作業の季節になってきました。従業員の方々は、会社から扶養控除等申告書と、保険料控除申告書の記載を依頼されている頃だと思います。

さて、扶養控除等申告書と保険料控除申告書の用紙のタイトルには、「○○年分」という文字が記載されています。ここに、年が記載されているというのは皆さんご存じでしたでしょうか?私は、税理士業界に入るまで、ここに年が記載されているということを全く意識していませんでした。税理士業界に入ってはじめて、「○○年分」という記載があり、その「○○年分」に意味があるということを知りました。

今の時期に会社から扶養控除等申告書(マル扶:まるふ)と保険料控除申告書(マル保:まるほ)を渡されて、記載を依頼されるわけですが、マル扶とマル保のタイトルにある「年分」は、実は同一の「年分」ではありません。マル扶は平成27年分で、マル保は平成26年分です。マル保はまだ平成26年であるのに、マル扶は来年の平成27年の用紙を会社から渡されます。

これはなぜかと言いますと、マル扶については所得税法の規定により、従業員は会社に「年明け(1月)最初の給与が支払われるときまで」にマル扶を提出しなければならないと定められているからです。マル扶についてはH26マル保を書くタイミングと一緒にH27用のマル扶を提出して、「年明け(1月)最初の給与が支払われるときまで」の期限に間に合わさせています。

なお、このH27マル扶を確認して、前回記載したH26マル扶(H25末に記載しています)から引越をして住所が変更されていないかや、扶養家族の変更がないかを確認してH26末の現状情報がどうなっているかを点検し、変更があるようであればH26の年末調整にその変更を反映させます。これは、H27マル扶に記載されている住所や、扶養親族の情報は、H26年末時点の最新情報であり、年末調整はH26年末時点の最新情報をもって計算を行うためです。(年末調整は、その年最後の給与を支払うときに行いますので、扶養控除や配偶者控除は、最後の給与を支払う日の状況で判断することになります。厳密には12月31日時点の状況での判断となります。)

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