河野周輔についてもっと詳しく
Q1 税理士になったきっかけは?
A1 根源は、大学生時代に簿記というものに初めて触れたところ大変面白く感じたところにあると思います。大学3年生のときに税理士試験の簿記論と財務諸表論に合格しましたが税務・会計業界に進みはせず、アクセンチュア株式会社に就職しました。理由は東京で働いてみたかったということと、神戸で税理士をやっている伯父から最初の就職は税理士事務所でない方がよいというアドバイスをもらったためです。当時は伯父の言うことの真意はわからなかったですが今となってはその理由がよくわかります。(大)企業に一度は勤めてみて、企業の仕事のやり方を学べという意図であったと思います。税理士事務所は10人以下の小規模なところがほとんどであり、新卒で税理士事務所に入ったのでは大企業の仕事に触れるチャンスが一生失われてしまい、それはもったいないことですから。
アクセンチュア株式会社、株式会社ビッグツリーキャピタルではITコンサルタントをやっていました。非常に忙しく、タフな環境でしたがそこでの経験が現在の私の働き方の土台となっており多くのことを学びました。
ITコンサルタントから税理士になったのは、残念ながら自分にはITコンサルタントとしての仕事があまり楽しいとは感じられなかったからだと思います。社会人になってから5年ほど経ってからふと、10年後、20年後も同じ仕事をしていて果たして楽しいのかなあと自問自答してみたところ、10年後も同じ仕事をしている自分を頭の中でどうしてもイメージできませんでした。そして学生時代になってみたかった税理士という職業を掘り起こしてみまして、今に至ることができました。
Q2 税理士の仕事は楽しいですか?
A2 おかげさまで楽しいです。もちろん楽しいことばかりではありませんがITコンサルタントから税理士になって本当によかったと感じており、転職は大成功でした(笑)。一番大きく違うのが、税理士がお金をいただくのは「個人」からという点です。直接話をする相手の違いです。ITコンサルタントの頃はお客様は大企業のシステム部門の方が窓口になってシステム部門の予算の範囲内でお金をいただいていたわけですが税理士は違います。税理士の主たるお客様は中小企業であり、その窓口となるのは社長ご自身であることが多いです。そして私達がお金をいただくのは社長個人からです。といってもその社長の会社から、お金は振り込まれることになるわけですけども決裁権限は「社長個人」です。大企業の場合、決済は「組織」が行いますが中小企業は社長の胸三寸です。
社長と直接お話しをして、サービスに喜んでいただいて、お金をいただける。私はこのやりとりが上手くいったとき、他に代えることのできない満足感を感じます。私には「組織」相手の商売よりも「個人」相手の商売の方が性に合っていたのだなという気がしています。
Q3 これまでの思い出に残る仕事は?
A3 修行しておりました税理士法人 熊谷事務所では相続税申告のお仕事をさせていただいたのですが相続税の仕事はどれをとっても思い出に残ります。相続税の仕事はこの世の中においても非常に特殊な仕事であると常々感じます。相続税申告は亡くなった方が所有する財産を総点検する必要があります。税理士は亡くなられた方の財産をつまびらかに把握する必要がありますので財産面ではプライベートに突っ込んでいかなければなりません。財産にかかわるデリケートな部分であっても、これまでお客様には快くご対応いただけたのは本当にありがたいことでした。
財産を残した親の想いと残された子の想い。どのようにそれぞれが感じていらっしゃるかについて、プライベートなことですので直接は聞けません。聞けませんが、相続税申告の仕事をしていく中で、被相続人は何を想って亡くなっていったんだろうか・・・、残された方は亡くなられたことについてどう感じていらっしゃるのだろうか・・・とつい考えてしまいます。そして、もし自分に相続が起きたときはどう感じるのだろうか、と考えさせられます。
なお平成27年1月1日より基礎控除の引き下が行われ、従来、相続税がかからなかった方であっても、かかるようになるケースが登場してきます。相続税は事前の準備により数多くの対策が打てます。円満な相続を行うためにも早く準備して悪いことは何もありません。亡くなられてしまった後に、税理士の目から見て「もっとこうしておけば良かったのに・・・」と思うケースは世の中にたくさんあります。早めに税理士に相談していただくことが安心のための一歩かと思います。
Q4 仕事での失敗は?
A4 税務調査でお客様に追加納税が出てしまったときにはとても落ち込み、身に滲みます。調査官も流石に税務調査のプロでして、しばしば「ハッ」とさせられる指摘を行ってきます。1年中、調査ばかり行っているだけのことはあります。税務調査のたびに調査官の課税側の「視点」は勉強になりまして、お客様が税務調査を問題なく乗り切るため、税理士にも調査官の視点は必須です。調査官ならば、どう見るか?を常に意識して日々の業務にあたっています。今後も、税務調査の研究は一生涯、続けていかなければなりません。
Q5 よく読む本は?
Q5 歴史の本と、経営者向けのビジネス本をよく読みます。高校生のときは世界史を選択しており、得意科目でした。古代から現代までのヨーロッパにおける覇権国が移り変っていく様が非常に興味深いです。日本史では、明治維新、日露戦争、満州事変、太平洋戦争のあたりがよく書物として書かれていますのでこれらの時代のものをよく読みます。
歴史本にしても、経営者向けのビジネス本にしても、読んでみて思うことはなかなか成功のための絶対的な公式は手に入らないけどもいくつもの歴史やビジネスの事例から、帰納的に現実社会の公式を手に入れることができるのでないかと感じています。
私はまだ、その公式を手には入れていませんが引き続き多くの文物を取り込んで自分自身を成長させていきたいと考えています。
Q6 どんな税理士事務所を経営していきたい?
A6 日々、仕事をして感じるのは現場での経験の積み上げが良いサービスへと繋がっていくということです。帰納と演繹でいうと、私は帰納的志向です。税務調査対応にしても、会社経営にしても、成功法則を余所から手に入れて現場で適用していくことよりも、自分で経験した個々の事例から法則を作り上げていく方が性に合っています。私は自分自身で1つ1つの事例を経験しないと、その背後にある法則を理解できない性格であるからだと自己分析しています。
たくさんの税務調査事例、経営判断事例を経験していき、その経験を一緒に働く全員で共有できる仕組みを作っていきたいと考えています。他人が経験した事例を、まるで自分が経験した事例であるかのようにすることができれば成長のスピードを速めることができ、お客様に対するサービスの質も高めることができると思います。
Q7 自己アピールをしてください
A7
中学の部活動:剣道部(初段)
高校の部活動:美術部
大学で熱中したもの:麻雀、スキー、簿記
苦手なもの:英語(TOEIC660)、ゴルフ(120)、株式投資、債券投資、FX
上達したいもの:ゴルフ
趣味:世界史、日本史、ゴルフ、スキー(最近は寒さに弱くなったので、できません・・・)、新しい飲食店の発掘、1人飲み、1人焼肉
裏趣味:漫画、麻雀、VBA(エクセルマクロ)、ファイアーエムブレムシリーズ(祝!2015年夏の新作)
お気に入り漫画:ヒストリエ(岩明均)、ナポレオン(長谷川哲也)、ヴィンランド・サガ(幸村誠)、虹色のトロツキー(安彦良和)、拳闘暗黒伝セスタス(技来静也)
座右の銘:人の行く裏に道あり花の山
好きなパソコン:Let’s Note(Panasonic)。直近6台は全てLet’s Noteを購入。(CF-T5、CF-N8、CF-N10、CF-S10、CF-SX2、CF-RZ4)
変な経験1:学習塾に通ったことがありません。学校の授業で成果が出せたのは小・中・高校と良い恩師に恵まれていたからだろうと今振り返れば、そう思います。ちなみに税理士試験のための専門学校には通いました(大原簿記学校水道橋校)。専門学校に通ってみてはじめてわかったのですが、税理士試験は、独学では絶対に合格不可能です(特に税法科目、私は簿財は専門学校に一切通わずに独学で合格しましたが税法は全く太刀打ちできませんでした)。国家資格とは厳しいものだと専門学校に通ってみて感じました。
変な経験2:大学受験は国立大学の前期と後期の2校しか願書を出しませんでした。私立の受験はゼロ。田舎者の世間知らずでしたので私立大学のネームバリューの知識が全くなく、どんな私立よりも地方国公立の方がエライと思い込んでいました。国立の前期で合格できたので結局ペーパー試験を受けたのは1校だけで済みました。
変な経験3:就職活動は2社しか受けませんでした。1社目は不合格でしたが2社目で合格できた会社がアクセンチュアでした。労力・交通費を節約した省エネの就職活動でした。しかも面接で東京に行く際に交通費が支給されましたので、JALのスカイメイトを使い、交通費を半分浮かすことができたのが密かな楽しみでした。